どこの国でも人は人のため

日経スペシャル「ガイアの夜明け」 6月7日放送
あなたの車 高く買います~世界を駆けるニッポンの中古車~


先日観ていて思ったことがある。
番組の中で中古車を買い付けに来る外国人バイヤー達が映し出されていた。
今の時代、「日本の中古車や廃車はゴミではなくて、資源として売れる」とは以前の記事で書いた。
外国人バイヤーが買っているのは、中古といっても事故車だったり不人気車だったりとワケありの中古車だ。
それらを買い、必要であれば解体し部品として、国外に運び出し、売る。
リスクもあるだろうが、ルートさえ見つければ、かなり儲かるらしい。
日本の業者の対応も良く、中古車オークションの一角には、パキスタン人をはじめ外国人バイヤーだけが入れる食堂もあった。
この映像を観ていて、自分の中での変化に気づいた。

  1. 日本のスクラップを持ち出し、海外で売る事で儲ける。
  2. 日本の一角には、それら外国人バイヤーを対象とした場所がある。
  3. 文化、文明、習慣の違いはお構いなしで、自分の利益のためだけに働く。

以上の様な理由で、こんな外国人バイヤーとは「自分とは無関係」もっと言えば「関わりたくない」と思っただろう。
かなりの偏見だ。
しかし以前にこんな事があった。
Y2E隊長のオンボロミニバン(失礼!)のバックアンダーミラーが盗まれた。
隊長は「盗まれちっゃたよ、でも新品買うの馬鹿らしいんだよね」と言っている。
その頃丁度、ペルー人のバイヤーがミナロの近くに引っ越してきた、
塾長の紹介もあり、彼の新しい名刺や古物商許可証をミナロで作ってあげた。
引っ越してきたばかりで金が無いのは分かっている、材料費のみの超サービス価格で作ってあげた。
何度か会って話をしている時にY2E隊長の「バックアンダーミラーが欲しいんだよね」と彼に伝えた。
すると彼は「チッョトマッテテ」と。
翌日には、解体工場からはずしてきた、同型のバックアンダーミラーを持ってきた。
「オ金ハイラナイ、自分デ外セバ、タダダカラ」。
このときに思った。
どこの国で生まれ育ったとしても、人のために働きたいという気持ちはみんなもっているんだと。   
そしてガイアの夜明けを観ていて、きっとこの事がなければ、今も彼らを偏見でみていただろうなとも思った。
ペルーの彼は、広くて安い場所が見つかった様で引っ越していった。
それでも買い付けには前と変わらず近所までやってくる。
たまに見かけると、「ハ~イ、ミィナロサ~ン、元気?」と笑顔で真っ黒になった手を振っている。
住所変わったんだから新しい名刺作ってあげるぞ。