イナーシャの怖さ

今回の選挙は予想以上の自民圧勝だった。
だがこの結果にはすこし怖さを感じる。


改革を止めるな!を合い言葉に、郵政改革に賛成か反対かを問う自民党に対して、政権交代を目指した民主党。
国民からしてみれば、改革をしてくれるところなら自民でも民主でもどっちでも良い、というのがホントの所だろう。
小泉自民党が仕掛けた白か黒かのわかりやすさが、岡田民主党の複雑で頭を使わせるマニュフェスト解読に勝った結果だと思う。
今まで選挙には行かなかった人たちも、今回だけは行ってみようと思った人も多い。
今後しばらくは「小泉自民党なら期待できる」、そう思って投票した人達によって、一時的に支持率は上がるだろうが、国民が納得できる改革が本当に出来るのだろうか。
郵貯・簡保資金総額が340兆円と言われているが、道路公団や住宅金融公庫などの特殊法人におかまいなしに貸し付けられてきた、はたしてその実体はどこまで焦げ付いているのだろうか。
また、民間になった場合の巨額な資金の投資先はどこにするのか。
三菱東京(FG)とUFJ(HD)が経営統合しても195兆円にしかならないのに、郵貯・簡保だけで340兆円。
それだけの巨額な資金をどこで運用すればリターンが出るのか我々では想像もつかない。
しかし確実にリターンを取れなければ民間としてはやっていけない事は、我々でも痛いほど判っている。
マクロ経済を中小零細製造業のイチ経営者が心配しても始まらないと言えばそれまでだが、5年生の娘が今日の日直当番で、
「きのうの選挙で自民党が勝ちました、あたし達が大人になったとき、暮らしやすい社会になってほしいです。」とメモ書きしていたのは見過ごせなかった。
改革はどの方向に進むのか、一部の特権や無駄遣いが無くなるのか。
郵政改革だけで他は手つかずに終わるのか。
本当に暮らしやすい世の中に出来るのか。
親の責任と国民の責任を持って見ていきたいと思う。
国勢や企業に勢いがある事は良い事だが、イナーシャが高まると、止まる事も方向を変える事も難しくなる。
普段なら無条件で応援している堀江社長だが、今回の広島6区堀江氏落選で内心少しほっとした。
(堀江社長はまだ若いしチャンスはいくらでもあるからね)
あんまりイケイケは心臓に悪い、程々にしといて。
年とったのかな・・・(汗