設計と現場(まとめ)

先日より多数のコメント、トラックバックでご意見を頂いた「その設計じゃ高くつくよ」のまとめ。


今回の依頼者よりメールを頂いた。


日刊工業新聞社、「機械設計」編集部の今堀です。
この度は、「機械設計」2005年8月号特集「加工しやすい設計、加工しにくい設計」(仮題)に関して、貴重なご意見をお寄せ下さりありがとうございます。技術面ばかりでなく、コミュニケーションを含めた運営面でも、機械設計者が改めるべき点が多くあることを実感しました。丁寧かつ的確な回答を多くいただきましたので、可能な限り「機械設計」誌にて紹介させていただきます。
ブログでの掲載から1カ月以上が過ぎ、ひと通り回答は集まりましたので、次の段階として、ミナログコミュニティーから、わが国の機械設計者に対する“提言”をまとめ、発信したいと考えております。
現在、集まりました皆さんの意見を集約しますと、例えば次のようにまとめられるかと思います。

    【機械設計者にわかって欲しい4つのこと】

  1. 過度な寸法精度はコストがかかります!
    (適度な公差、必要な公差を考えて設計するのは当然のこと。不具合の温床になるだけです)
  2. 現場では、図面がすべての情報源です!
    (現場では設計者の図面で仕事が始まります。基準線が不明、寸法線の抜け、設計ミスはもってのほか。設計者への不信感が増すだけです)
  3. 加工のことはやはり現場が一番詳しいです!
    (加工に詳しい設計者もいるでしょうが、やはり現場のプロには叶いません。自身の設計だけにこだわらず、現場の意見を聞き入れる寛容さが必要です)
  4. 加工現場と協調することが大切です!
    (時間を割いてでも、お互いに協議しながら進めていく方が、良い部品、良い製品の完成につながります)

より円滑なモノづくりを進めていくためには多くの課題がございますが、まず上流に位置する機械設計者から自身の設計、仕事を改めていくことが大切です。
中には、皆さんに加工を発注、依頼している設計者も目にしているかもしれませんので、ご自身の仕事を効率的に進めるために、またより良い加工を行うために、提言のまとめにご参加下さいますよう、よろしくお願いします。
最後に、少々堅い文面となっちゃいましたが、皆さんと一緒に上記の叩き台(叩かれ台)を揉みまくって、メッセージを発信しましょう。小誌読者の機械設計者も、皆さんと目指す方向は同じですので。
よろしくお願いします。


以上が依頼主からのメール。
これに対して、記者の方の言うように、さらなる意見やコメントを求めたいと思う。
前回乗り遅れた(笑)かたからのご意見も頂きたい。
例えば、ミナロではこの様なことがあった。
図面では描けても実際には加工が出来ない場合。
狭く深い溝の底に0.3Rがついていた。解決方法は2つ。
1.専用工具を特注するか?→工具製作の時間とコストがかかる。
2.標準工具で加工できるRに変更するか?→可能であればこちらの方が良い。
そこで依頼者にRの変更を求めた。
依頼者の方は加工にも知識があり、普段は社内で専用工具を使い加工するのだが、今回は外注でしかも納期がない、「Rの変更図を書きますので、それでやって下さい」となった。
納期優先の場合と形状優先の場合で対応は変わるだろうが、やはり依頼主とのコミュニケーションは大事だ。
この様に、ここを読まれている製造業の方で事例があれば紹介して頂きたい。
コメントでもトラックバックでも構いません。
頂いたご意見は可能な限り日刊工業新聞社「機械設計」の8月号に掲載されるとのことです。
ご意見ちょうだい!

(この記事はがんばる製造業の方へトラックバックしています、適切でない場合は削除して頂けるようお願い致します)