倒産した会社(6)

すでに倒産を決めてしまった会社ではあるが、自己破産だけは止めたかった。


「倒産しました」の連絡を受け、社長本人と話をしてみた。
すると、こちらが予想していたより負債は少ない。
借入金と買掛売掛の差し引きをたして、自社の土地建物代を引くと、負債額としては一人頭200万円程しか残らない。
車を買ったと思えば返せない額ではない。
そこで、自己破産することは無いだろう! もう一度弁護士と話せ!と伝えた。
だが、肝心なのは土地建物が適正価格で売れるというコトだ。
もしも自己破産による競売になってしまったら、適正価格の6割ほどになってしまう。
しかもそのお金は税金、基金、給料の未払い、保証協会、売掛という順番で取られていく。
幸い給料の未払いは無かったのだが、売掛の部分である長年取引していた民間企業が一番損をする。
一般的には数パーセントしか戻ってこないと聞いたこともある。
民間企業が連鎖倒産をおこしてもおかしくない状態だ。
そこでミナロが出来ることを考えた。
この土地建物を買い取ることができないものか、と。
つづく・・・


彼らは自社の土地建物の価格が現在の相場より4割以上も低い見方をしていました。
つまり、土地建物を売ったとしても、数千万円の借金が残ると考えていたようです。
それで自己破産しか道はないという判断をしてしまいました。
判断をするための情報収集を怠ると、自分だけでは手に負えない事態を招きます。
零細企業だって世間に対する責任はある